代償分割

代償分割

相続開始後に各相続人が協議によって故人の遺産を分割しますが、
遺産分割協議書を見てみると、以下のような文言で分割の内容が記載されていることがあります。

※親族図を母A、長男B、次男Cとします。

(遺産分割内容)

  1. 故A名義にかかる別紙遺産目録記載の遺産は、すべて被相続人の長男Bが相続する。
  2. Bは、相続した遺産について相続人各自2分の1ずつになるように分配することとして、被相続人の次男Cに代償金を支払う.

これは代償分割という方法で、遺産の分割が困難な場合などにとる方法です。
例えばAの唯一の遺産が自宅の不動産であり、BがAと同居、Cは別の所に住んでいた場合、
Aの死後は、Bが不動産を全部相続したいという意思があったとします。
Cは相続できる財産がないので、Bが代償金として金銭をいくらか支払うという方法です。
もちろん、Bに支払能力があることが必要です。
いくら支払うかというのが問題ですが、相続税評価額や不動産鑑定をした金額を用いるのが一般的です。
本ケースの場合、不動産の価値が5,000万円だとしたら、その1/2である2,500万円をBがCに支払う必要があります。

代償分割の場合の申告

遺産分割協議書のとおり相続したのはあくまでBですが、
Bが相続税を払い、代償金をもらったCには贈与税がかかってしまうというのは、同じ財産に2種類の税が課せられるので、違和感があります。
相続税の計算では、ちゃんち代償分割の計算方法が定められています。

代償分割により共同相続人のうちの1人又は数人から代償財産を取得した場合、この代償財産は相続により取得したものですから、代償財産を取得することとなったCについては、この代償財産の価額が、相続税の課税対象となります(相基通11の2-9)。

一方、代償財産を交付したBについては、相続により取得した土地や建物などの現物財産の価額から代償財産の価額を控除した価額を基に相続税を計算することとなります(相基通11の2-9)。

今回のケースでは結果的に1/2ずつ(2,500万円ずつ)、相続税の課税財産になります。
一番注意すべきなのはCに贈与税が課せられないように代償金を支払う旨を遺産分割協議書にきちんと書いておくことです。

遺産が預金だけなのに代償分割をする場合

私が実際に体験した事例です。
遺産が預金などの流動資産(すぐにお金に換えられる資産)だけなのに、相続人の1人が財産を全て相続し、
代償金を他の相続人に払う旨が遺産分割協議書に書いてありました。
ちなみに相続税の税理士試験ではこういった問題は出ません。実務ならではの事例です。
最初はなんでかよく分からなかったのですが、調べて納得しました。
故人の預金口座を解約するときなどは、相続人が多かったり遠方だったりすると
相続人全ての同意を得たり戸籍謄本などを揃えたりするのがとても大変です。
そこで、相続を1人にまとめてこういった手続きを簡素化しようという狙いです。
弁護士さんが入っている場合、彼らが大変なのでこういった方法をとってるのかなと思います。
我々税理士はとにかく贈与税が怖いのでこういった発想はあまりないですが、とても勉強になった事例でした!
こういった事例、私の中ではオシャレな代償分割と呼んでいます。


※この記事は平成30年4月現在の法令に基づいています。

税理士法人 絆 高木 誠

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