仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)が公表されました。

平成30年11月に仮想通貨に関する税務上の取扱いが新たに公表されました。


税目別に全21項目、25ページからなるFAQで仮想通貨の申告手続きは昨年よりも簡素化されます。
昨年と変わっていない部分もありますが、昨年から追加された公表で特に重要な箇所は赤字にしておきます。

所得税・法人税共通関係

仮想通貨を売却した場合

昨年のFAQと全く同じです。200万円で取得した4BTCのうち、0.2ビットを11万円で売却した時の計算です。
11万円-(200万円÷4)×0.2=1万円が所得金額となります。

仮想通貨で商品を購入した場合

200万円で取得した4BTCのうち、0.3BTCを支払って162,000円(消費税込)の商品を購入した場合の計算です。
162,000円-(200万円÷4)×0.3=12,000円が所得金額となります。

仮想通貨同士の交換を行った場合

計算方法についての事例が書いてありますが、リップラーの間でちょっとした話題になっています。
3月9日 200万円で4BTCを購入
11月2日 10リップルを購入する際の決済に1BTCを支払った。なお、取引時のリップルのレートは1リップル=6万円
6万円×10リップル-(200万円÷4BTC)×1BTC=10万円が所得金額になります。

今は1リップル40円くらいなんですが、国税庁が6万円で事例を出しており、リップラーの間ではちょっとしたネタになっています。私だったら極力実態に近づけて公表しますが、仮想通貨をよく知らない人が事例を作っているんでしょうか。

仮想通貨の取得価額

4BTCを200万円で購入した。購入時の手数料は540円(消費税込)を支払った。この場合の取得価額は2,000,540円となります。
もし消費税の課税事業者(消費税を納める義務のある事業者)であるならば、2,000,500円になります。

仮想通貨の分裂(分岐)により仮想通貨を取得した場合

仮想通貨の分裂(分岐)により、新たに誕生した仮想通貨を取得した場合、課税は生じません。分裂(分岐)時点において取引相場が存在しておらず、同時点において価値を有していないと考えられるためです。従って取得価額は0円となります。

仮想通貨をマイニングにより取得した場合

仮想通貨をマイニングにより取得した場合、所得税又は法人税の課税対象となります。
マイニング等により取得した仮想通貨の取得価額に相当する金額(時価)については、総収入金額(法人は益金)に算入され、マイニング等に要した費用については必要経費(法人は損金)に算入されることになります。

所得税関係

仮想通貨の所得区分

原則として雑所得になります。昨年と違い、今回は事業所得となる場合についても触れられています。

事業所得となる場合とは?

  • その仮想通貨取引自体が事業として認められる場合
    つまり、仮想通貨取引の収入によって生計を立てていることが客観的に明らかである場合などです。
    開業届を出しておけば事業所得にできるという安易な情報も流布されていますが、それだけでは認められないということです。
  • その仮想通貨取引が事業所得等の起因となる行為に付随したものである場合
    事業用資産として仮想通貨を保有し、棚卸資産等の購入の際の決済手段としてしようした場合が該当します。

仮想通貨の必要経費

私が以前書いた記事の見解と国税庁の見解は概ね一致しています。

今回は経費にできる費用の例示として以下のように記載されています。

  • 売却した仮想通貨の取得価額
  • 売却の際に支払った手数料

その他、仮想通貨の売却のために必要な支出であると認められる部分の金額に限り、以下のもの

  • インターネットやスマートフォン等の回線利用料
  • パソコン等の購入費用

仮想通貨の取引とそれ以外のプライベートの共通経費(いわゆる家事関連費)についても触れられています。
例えば仮想通貨の取引を行っているパソコンとプライベート用のパソコンが同じである場合は、
「取引の記録に基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合に限り、その区分した金額を必要経費に算入することができます」と記載されています。
この明らかに区分できる場合というのが難しいですが、極論を言えば使用時間を区分して記録しておけということでしょうか。現実的には不可能な気がします。

また、「パソコンなど使用可能期間が1年以上で、一定の金額を超える資産については、減価償却する必要があります」と記載されています。
固定資産で一定の金額以上については一括で必要経費にはなりませんという意味です。青色申告なら30万円未満は一括で必要経費にすることができます。

年間取引報告書を活用した仮想通貨の所得金額の計算

これが今回の公表の一番の目玉だと思います。
今年から仮想通貨交換業者から年間取引報告書が届きますので、それを国税庁HPに記載の「仮想通貨の計算書(総平均法)」に入力すれば、簡便に所得計算を計算してくれます。

黒字の太枠部分を計算書に入力します。上記の場合の所得金額は332,000円になります。
仮想通貨の種類ごとに計算書を作成していく必要があります。総平均法のみで移動平均法の計算書はありません。
どうしても移動平均法で計算したいなら、民間の利益計算ツールを利用するしかないでしょう。
逆に言えば、総平均法でいいなら利益計算ツールにお金を支払って計算してもらう必要もないので、ツールの提供会社は痛手なのではないでしょうか。

年間取引報告書の記載内容

年間取引報告書の各蘭には、次の事項が記載されています。

  • 年始数量:その年1月1日の保有数量
  • 年中購入数量:その年の仮想通貨の購入数量
  • 年中購入金額:その年の仮想通貨の購入金額
  • 年中売却数量:その年の仮想通貨の売却数量
  • 年中売却金額:その年の仮想通貨の売却金額
  • 移入数量:その年に購入以外で口座に受け入れた仮想通貨の数量
  • 移出数量:その年に売却以外で口座に払い出した仮想通貨の数量
  • 年末数量:その年12月31日現在の仮想通貨の保有数量
  • 損益合計:その年の仮想通貨の証拠金取引の損益の合計額
  • 支払手数料:その年に仮想通貨交換業者に支払った支払手数料の額

外貨取引の場合は、取引時の仲値(TTM)で円に換算した金額に基づき、各事項が記載されています。

仮想通貨の取得価額の計算方法の変更

移動平均法、総平均法は継続して適用しなければいけませんが、29年に移動平均法で計算した方でも、30年総平均法に変更してもOKです。但し、今後も総平均法を適用することが条件です。これからは総平均法が主流になっていくのでしょう。

仮想通貨の購入価額や売却価額が分からない場合

国内の仮想通貨交換業者は、平成30年1月1日以後の仮想通貨取引について「年間取引報告書」の交付が行われることになりました。
これに基づき購入価額や売却価額を確認することができます。

国外の仮想通貨交換業者や個人間の取引については、銀行口座の状況などを確認して下さいとなっています。

仮想通貨取引で損失が生じた場合の取扱い

雑所得の金額の計算上生じた損失については、給与所得など他の所得と通算することはできません。

仮想通貨の証拠金取引

仮想通貨の証拠金取引による所得については、申告分離課税の適用はありません。総合課税により申告が必要です。
雑所得には先物取引に係る雑所得等の課税の特例というのがありますが、これは外国為替証拠金取引や商品先物取引等に適用されるもので、仮想通貨取引はこの特例の適用外です。

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