特例事業承継税制~平成31年度税制改正~

平成31年度の改正

平成31年度の税制改正法案が3月27日に衆参両院で可決しました。
特例事業承継税制についても以下の3点が改正となりましたので、解説していきます。

贈与における受贈者の年齢要件の引き下げ

民法改正により、成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴っての改正です。
特例事業承継税制について、受贈者の年齢要件についても20歳から18歳に引き下げられることとなりました。
実際の適用については、民法改正が施行される2022年4月1日以後の贈与についてですのでご注意下さい。

資産保有型株式会社等に該当した場合の全部確定事由の一部緩和

現行制度では、認定承継会社等が納税猶予期間中に資産保有型会社等に該当することとなった場合には、その該当することとなった時点で納税猶予に取消事由(全部確定事由)に当たるものとされています。
設備投資などで多額の借入をし、1日でも資産保有型会社等に該当すればアウトなので、これを緩和すべく税理士会等からの要請があったようです。
本改正により、一定のやむを得ない事情により資産保有型会社等に該当した場合において その該当した日から6月以内に資産保有型会社等に該当しなくなったときは、納税猶予の取消事由に該当しないこととされました。
この「一定のやむを得ない事情」については具体的な内容について明らかになっていないため、今後の動向を引き続き注意する必要があります。

みなし相続に係る相続税の納税猶予適用時の手続きの簡素化

手続き上の簡素化の改正です。
みなし相続に係る相続税の納税猶予の適用を受ける場合において、贈与税の納税猶予の免除届に関する添付書類の提出が不要になる等の手続きの簡素化が行われます。

以上が、平成31年度の特例事業承継税制に関する改正事項です。
特に後半2つの改正は現行制度の使い勝手が悪い部分の改正ですので、納税者有利の改正になります。
特に資産保有会社等に該当した場合の、救済措置は当該税制の積極的な活用につながりますので、今後も注視が必要です。


税理士法人絆 高木誠

2019年4月法令等

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