自社株評価~クレーン車の売却が非経常的な利益に当たらないとされた裁決~

非経常的な利益とは?

取引相場のない株式(非上場株式)の評価における類似業種比準価額は、会社の「配当」、「利益」、「純資産」を基に計算します。
この「利益」からは、非経常的な利益(突発的な利益)は除くとされていますが、平成29年9月12日の裁決で、「固定資産(クレーン車)の売却が非経常的利益に当たらない」という事例が出てきましたのでご紹介します。

クレーン車の売却が非経常的利益に当たらないとされた判決

概要

評価会社は、移動式クレーンの貸し出し、オペレーターが楊重作業を行う事業等を営む会社です。
この会社が行った「クレーン車の売却益」が評価通達に定める類似業種比準価額により評価するときの「1株当たりの利益金額」の計算上、法人税の課税所得から除く非経常的な利益か否かが争点となりました。
原処分庁の判断は、「クレーン車の売却益」は、非経常的な利益に当たらないとされました。

裁決の要旨

  • 1株当たりの利益金額の計算上、非経常的な利益の金額に該当するか否かの判断は、「評価会社の事業の内容、その利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性」を考慮して判断すべきものである。
  • 固定資産売却益を損益計算書の特別利益に計上していたとしても、非経常的な利益の金額に該当するとの判断は妥当ではない。
  • 評価会社は、クレーン車の売却による収益力を見越した上で、クレーン車の取得及び売却を、本件クレーン事業と一体をなすものとして捉えていた。
  • 事業の一環として、保有している各クレーン車の事業上の必要性、新たなクレーン車取得の必要性及びそれに要する期間や資金、売却依頼の有無やその具体的な条件等の事業を総合的に考慮した上で、その経営判断に基づき、各クレーン車の売却時期や売却方法を決定していた。
  • 直前各3事業年度において、毎期、一定の保有台数を超えるクレーン車を繰り返し売却し、その売却台数も年々増加していたことを考慮すれば、評価会社によるクレーン車の売却は反復継続的に行われていた。

これらの理由によって、クレーン車の売却益は、非経常的な利益の金額に該当しないとされました。

まとめ

割と最近の事例ですが、当たり前といえば当たり前の裁決かと思います。
安易に固定資産売却益が特別利益に計上されているからといって非経常的な利益に含めずに、事業の内容や、反復継続性を勘案して非経常的な利益か否かを判断しましょう。


税理士法人絆 高木誠

2019年4月現在法令等

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