キャッシュフロー経営

キャッシュフロー経営

歯科医院のためのキャッシュフロー経営
 
お会いする歯科医院の院長の中には、
 
「利益は出ているのに、なぜかお金が残っていない」
「お金がないのに、たくさんの税金が発生する」
と言った質問が出てきたりします。
 
そのためには、キャッシュフローの流れに沿った経営を理解することです。
 
売上や利益はもちろん大切ですが、手元の現金がなくなってしまったら、事業も継続することができません。
お金(現金)がどのように流れていくかを理解して、経営をしていくことがとても大事です。
 
 
我々は、利益ではなくキャッシュ(お金)に着目した経営のことを「キャッシュフロー経営」と呼んでいます。
 
利益が出ればお金が残るという訳ではなく、以下のことがキャッシュを減らす原因であることをしっかりと理解しておく必要があります。
 
 
決算書に出てこないお金の流れとは?
個人事業である歯科医院の場合、青色申告決算書を作成して、毎年、確定申告を行います。
その青色申告決算書の1ページには、損益計算書があると思います。
 
毎年、利益がでているのにお金がない理由を上げてみます。
 
理由1 固定資産の購入
固定資産(支払額で10万円以上の機械装置、備品、車輌など)を購入した場合には、この損益計算書に直接費用として処理することができません。
国税庁が決めた法定耐用年数で分けて、費用処理をしなくてはなりません。
 
例えば、ユニットチェアの法定耐用年数は7年ですので、350万円で購入した場合、7年で割った50万円が費用(これを減価償却費と言います)処理できます。
(償却方法や購入した年などは金額が変わりますが、ここは理解しやすいようにしています)
購入は現金で350万円を支払ったのに、費用は50万円しかできないので、300万円のズレが出てきます。
この300万円こそが、購入した年のキャッシュの不足原因です。
 
ただし、翌年以降は、50万円ずつ費用化されますので、現金は利益以上(減価償却費分だけ)残ります。
 
 
理由2 借入金の元金返済
借入金の利息は、損益計算書の費用項目になりますが、元金は費用処理しません。
元々借りたお金です。元金は利益から返済することになります。
 
利益と減価償却費のバランスを考えて、返済額を検討しましょう。
 
 
理由3 税金
税金にもいろいろありますが、所得税と住民税は費用になりません。
保険診療の社保収入は、入金時に源泉所得税が天引きされてきます。(社保源泉税)
1年間の所得に対して、所得税が課されます。その所得税の額が社保源泉税より多ければ、追加で納付します。
逆に少ないのであれば、還付と言って、所得税が戻ってきます。
 
開業した場合、初年度は臨時的な支出もあり納税は少ないのですが、2年目は順調に利益がでると、税金もかなり大きくなります。
そうすると、住民税も大きくなり、加えて所得税の場合は、予定納税を支払うことにもなります。
業績の良くなった翌年(この場合は3年目)の税金は要注意です。
 
 
理由4 生活費(事業主貸)
個人事業であれば、院長への給与という費用項目はありません。
生活費は、この利益から出ていきます。
この生活費の中には、歯科医師会の会費に含まれる共済や年金、歯科医師国保保険料、小規模企業共済なども含まれます。
 
以上の4つの理由から、手元のお金は、利益よりも少なくなります。
安心して、治療に専念するためには、この4つの資金を理解しておきましょう。

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