MS法人について

MS法人について

今回は、MS法人について解説したいと思います。
 
■MS法人とは?
医院の業務のうち、受付業務・レセプト請求・不動産の賃貸・機器のリース・歯科技工など、診療に付随した業務をメディカルサービスといいます。
MS法人は、上記のメディカルサービスを行う法人です。
具体的には、以下のようなサービスを行います。
1)歯科医院への不動産の賃貸・管理
2)医療材料の販売、医療機器の販売・賃貸
3)院内歯科技工の請負
4)医療事務・保険請求事、経理事務の請負
 
■MS法人を設立した場合のメリットとデメリットは?
☆メリット
1)MS法人の利益は法人税が適用となり節税できる。
 個人事業の場合は、所得税が適用になり、累進課税で税率が上がり所得が増えるほど負担率は高くなる
2)MS法人に留保された利益を株主に配当することができる。
3)MS法人の株主は制限が少ないので株主の選定により生前贈与(相続対策)が可能となる。
4)MS法人で大きな設備投資を実施した際は支払った消費税の一部を還付させる選択肢もある。
 
☆デメリット
1)消費税の納税義務者となる場合、納税負担が増える。
 MS法人の売上は、ほとんどが消費税の課税売上となります。
 この売上が1000万円を超えると消費税の課税事業者になります。
 そのため、消費税の納税負担が発生してきます。
2)MS法人設立により管理事務の時間とコストは増える。
 MS法人を設立する際には、司法書士報酬や印紙代などの設立費用が発生します。
 また、MS法人独自の帳簿や申告書を作成する必要がありますので、税理士報酬の負担が増えます。
3)医院に利益が出なければ、実質納税負担が増える。
 本体の歯科医院に利益が出なければ、節税効果もほとんどなくなり、悪けれは、負担増となります。
4)税務調査で病医院との取引が否認されないよう税務対策が必要となる。
 税務調査の対象になりやすいと言われています。
 その調査で問われる事項として、下記の2点が挙げられます。
 ①MS法人の実在性
  MS法人が単なる形式的な存在ではなく、一つの会社として実態を備えていること
 ②取引金額の妥当性
  請負う業務の具体的内容とその取引金額の妥当性
  契約書の作成をしておくこと
 
■まとめ
MS法人のメリットとデメリットを説明しました。
実際に、医療法人にはライセンスを持つドクターと歯科衛生士を雇用し、受付業務や経理業務に携わるスタッフはMS法人で雇用し、
効率的な経営をされているドクターもいらっしゃいます。
どのような歯科医院経営を進めていきたいのかを明確にして、長期的な視点で検討していきましょう。

お問い合わせ

お問い合わせやご相談はお気軽にご連絡ください。
絆税理士事務所のスタッフ皆様のお悩みに真摯に向き合わせて頂きます。