借入と必要保障額(標準保障額)

借入と必要保障額(標準保障額)

コロナ禍による業績不振や今後の感染拡大を懸念して、新たに借入を行う医院が増えています。

弊所では追加で借入を行った際、借入に対する保障の再検討をご案内しております。

「院長に万一のことがあった場合、今の保障で借入は返済できるか。」また、

「一時的に診療ができなくなった場合には、どのくらいの資金を確保すべきか。」など

保障内容について改めて検討する必要があります。

今回は、医院の保障額(標準保障額)の基本的な考え方を弊所が提携している大同生命の算定式を基にご紹介いたします。

 

 

経営者を取り巻くリスク

経営者を取り巻くリスクとして代表的なものは下記の3つです。

  1. 死亡リスク
  2. 重大疾病や介護状態などによる長期にわたって就業できないリスク
  3. 入院による短期的に就業できないリスク

保障内容を検討するうえで真っ先に考えるリスクといえば、代表者の死亡リスクです。

死亡保障は医院の存続のためには最低限確保しておきたい保障ですが、

昨今の医療技術の発達により死亡リスクは以前に比べ低くなる傾向があります。

そのため、死亡保障と一緒に就業不能時の保障も検討したいところです。

 

 

標準保障額(法人用)とは

標準保障額とは、経営者や幹部社員の死亡時、就業障がい時(重度の身体障がい時、ならびに重大疾病時)

に必要と想定される資金を、以下の基準で算定したものです。

 

 

〈企業防衛準備資金〉

①運転資金+固定費

≪運転資金×必要倍率+固定費(月額)×必要月数≫

※経営者が職場に復帰するまで(万一の場合は閉院するまで)の必要資金の額

 

②借入返済資金

≪借入金残高×必要返済割合(0~100%)≫

 

③その他の負債

※②以外の負債で返済が必要なもの

例)車両のローンや解約不能なリース料金など

 

④現金化可能な資産(※減算項目)

※売却した場合、運転資金や返済原資となるような資産

ただし、事業を継続する場合は考慮不要

例)たな卸資産、土地、建物など

 

⑤納税準備資金

※保険金の入金時、場合によっては多額の収益を計上するため、別途、納税資金が必要です

 

⑥標準保障額

≪標準保障額=①+②+③-④+⑤≫

※この算定式は法人用ですが、個人事業の場合でも基本的な考え方は同じです。

 

 

最後に

上記の算定式や考え方はあくまでも一例です。

医院ごとに経営状態・財務状況、保障に対する考え方や負担できる保険料が異なるため、

保障内容の検討も個別に行う必要があります。弊所では漠然としたリスク対策の話にとどまらず、

毎年作成する決算書から、客観的に必要な保障を検討するお手伝いをしております。

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